特定技能

特定技能の受入れ見込数とは?自社分野の上限を確認

特定技能の受入れ見込数とは?自社分野の上限を確認

※この記事は2026年7月時点の情報です。数値は出入国在留管理庁の速報値であり、今後の公表で更新されます。育成就労制度は施行前のため、記載は現時点の予定です。

「特定技能は、自社の業種であとどれくらい受け入れられるのか」——この春、外食業分野で海外からの呼び寄せが止まって以降、こうしたご質問が増えました。残り枠まで把握している企業様は多くありません。

この記事では受入れ見込数の仕組みと自社の現在地の確認方法を整理します。

受入れ見込数とは——分野ごとの「受入れの上限」

受入れ見込数とは、特定技能の各分野で一定期間に受け入れる人数として閣議決定で定める数字です。名前は「見込み」ですが、実務上の扱いは上限です。

運用方針には各分野について「……これを令和10年度末までの5年間の受入れの上限として運用する」と明記されています(出典: 「特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針及び育成就労に係る制度の運用に関する方針」(令和8年1月23日閣議決定・出入国在留管理庁掲載))。

2026年1月に数字が入れ替わった

現行の数字は2026年1月23日の閣議決定によるものです。従来は2024年3月の閣議決定による16分野・82万人でした(出典: 同庁「特定技能の受入れ見込数の再設定及び対象分野等の追加の概要」)。押さえたい変更は3つです。

第一に、特定技能の枠だけを見れば80万5,700人へ約1万4千人減りました。育成就労に別枠ができたためで、「特定技能の枠も広がった」という理解は正確ではありません。

第二に、育成就労の見込数が新たに設定されました。技能実習にはありませんでしたが、育成就労は42万6,200人です。開始は2027年4月の予定で、全体像は「育成就労はいつから?施行日と企業の準備を解説」で整理しています。

第三に、対象分野が19分野に増え、リネンサプライ・物流倉庫・資源循環が加わりました(出典: 同庁「分野別運用方針の主要な記載事項」)。

自社の分野は、いまどこまで埋まっているか

同庁は2026年7月3日、分野ごとの見込数・在留者数と充足率を公表しました。

特定技能1号の分野別の充足率を示す横棒グラフ。外食業95.4%を筆頭に、木材産業0.8%まで分野差が大きい

全分野では見込数80万5,700人に対し在留者数40万4,527人、充足率50.2%です(出典: 同庁「特定技能1号の受入れ見込数及び在留者数について」(令和8年3月末時点・速報値))。

同じ資料の年間増加数(2025年3月末からの1年の差)で残りの枠を割ると、実務的な見通しになります。

分野 見込数 在留者数 残り 年間増加数 残りが尽きる目安
外食業 50,000 47,714 2,286 16,498 すでに交付停止
飲食料品製造業 133,500 96,367 37,133 20,509 約1.8年
介護 126,900 74,745 52,155 26,332 約2.0年
建設 76,000 51,055 24,945 9,957 約2.5年
自動車整備 9,400 4,925 4,475 1,646 約2.7年
工業製品製造業 199,500 59,038 140,462 12,962 約10.8年

単位: 人。「残りが尽きる目安」は当社の単純計算による参考値で、行政の見通しではありません。出典: 前掲資料

現行の見込数は令和10年度末(2029年3月末)までのもので、残りは約2年8か月。目安がこれを下回る分野は、期間の途中で上限に届きます。

単純な割り算なので、「必ず止まる」ではなく自社が上限を意識すべき側かを見分ける道具です。

上限に達したら何が止まり、何が止まらないのか

枠が埋まっても、受け入れが全部止まるわけではありません。

上限到達時の流れ図。法令で止まるのは認定証明書の交付。分野への変更許可は外食業分野の審査運用で原則不許可。在留期間の更新と分野内の転職は止まらない

法令上止まるのは在留資格認定証明書の交付です。海外にいる方の呼び寄せに先立ち、在留資格の要件を満たすことを証明する書類です。根拠は出入国管理及び難民認定法第7条の2第3項・第4項です。

一方、在留期間の更新許可は止まりません。いま働いている方の在留が不安定になる話ではないので、本人にも落ち着いてお伝えください。同じ分野内での転職に伴う申請も、外食業分野では通常どおり審査するとされています(出典: 同庁「特定技能「外食業分野」における受入れ上限の運用について」)。

他方、他の在留資格から特定技能への変更は扱いが異なります。法令の停止措置は認定証明書の交付についてのもので、変更許可までは定めていません。ただし外食業分野では、変更前の在留資格と申請を受理した時期に応じて、原則不許可とする運用がとられています(出典: 同庁「特定技能1号(外食業分野)の在留諸申請の審査状況」)。

運用方針には再開の措置もありますが、時期が事前に示されるわけではなく、「待てば戻る」前提で計画を走らせるのは避けてください。扱っているのは枠の数字ですが、その先には来日を待つ一人ひとりの生活があります。手続きが止まったら、内定者へ早めに説明することも企業側の準備です。

いま動くべき会社と、待ってよい会社

いま動くべきなのは、目安が2年8か月前後かそれを下回る分野(飲食料品製造業・介護・建設・自動車整備)で、かつ海外から呼び寄せる計画がある企業様です。人数と時期を前倒しで確定させ、書類の準備を先に進める価値があります。

待ってよいのは次のいずれかです。第一に、充足率が3割を下回る分野(工業製品製造業・宿泊・自動車運送業など)。第二に、同じ分野で特定技能1号として在留する方の転職による採用や在留期間の更新が中心の企業様。ただし他の在留資格からの変更による採用は上限の影響を受けるため、ここには含まれません。第三に、2027年4月に施行予定の育成就労を待って体制を設計する企業様。手続きの開始時期は「育成就労計画の申請開始は9月予定|企業の準備」で整理しています。

明日できる3つの確認

  1. 自社の業務がどの分野に当たるかを確定させる。 分野は実際の業務内容で判断されます。2026年1月に3分野が増えたため、以前に該当なしと整理した企業様も再確認を。
  2. その分野の充足率を上のグラフで確認する。 3割未満なら当面の余裕あり、超えていれば表の「残りが尽きる目安」も確認を。表に無い分野は出典資料の数値で同じ計算ができます。
  3. 今後2年間の採用計画を「海外から呼び寄せる方」と「すでに国内にいる方」に分けて整理する。 止まるのは前者ですが、後者も他資格からの変更が必要な方は影響を受けます。仕分けておけば、影響の範囲をその日に把握できます。

まとめ

受入れ見込数は分野ごとに閣議決定で定められ、受入れの上限として運用される数字です。現行は19分野・特定技能80万5,700人、全体の充足率は50.2%ですが、分野差が大きく平均は判断材料になりません。法令上止まるのは認定証明書の交付で、在留期間の更新や分野内の転職は止まりません。他資格からの変更の扱いは分野ごとの運用によります。自社の充足率を確認し、海外から呼び寄せる計画の有無で仕分ける。この2点が、いま打てる確実な一手です。

AidBridgeの場合

私たちAidBridgeは、代表が現役の社会保険労務士である登録支援機関です。分野単位の制度変更は、採用計画だけでなく雇用契約にも影響します。在留資格の手続きと労務管理を一つの窓口でご相談いただけます。また執行役員が海外の送出機関の顧問を務めているため、日本側の枠の状況を早めに現地へ共有できます。制度の全体像は「特定技能制度とは?企業向けに仕組みを解説」、費用の考え方は「登録支援機関の費用相場は?内訳と選び方を解説」で整理しています。

いま動くべきか待つべきか、状況をお聞かせいただければ実情に即してご案内します。まずはお気軽に無料相談するからどうぞ。

無料相談する →

まずは無料相談から。

60分のオンライン相談で、御社に合った受け入れ方法をご提案します。

無料相談する →