育成就労
育成就労計画の申請開始は9月予定|企業の準備

※この記事は2026年7月時点の情報に基づいています。育成就労制度の施行日は確定していますが、申請の受付開始日は出入国在留管理庁が「予定」として公表しているものです。申請の実務に必要な手続案内や様式は、現在準備が進められている段階です。
「育成就労が始まるのは2027年4月だから、まだ先の話」——そうお考えの企業のご担当者様は多いと思います。ただ、制度が始まる日と、そのための申請が始まる日は別です。育成就労外国人の受け入れに必要な「育成就労計画の認定」の申請は、2026年9月1日から受付が始まる予定です。施行日の約7か月前にあたります。この記事では、いま公表されている日程と、9月に向けて企業が確認しておける点を、出入国在留管理庁の公表資料に基づいて整理します。
育成就労計画の申請は2026年9月1日から——施行日前申請とは
まず日程を確認します。育成就労制度は、2024年6月に公布された改正法(令和6年6月21日・法律第60号)によって創設され、一部の規定を除き令和9年(2027年)4月1日に施行されることが定められています(出典: 出入国在留管理庁「育成就労制度の制度概要・関係法令」)。この施行日そのものは動きません。
一方で、施行日から受け入れを始めるには、その前に申請と審査を終えておく必要があります。そのために用意されているのが施行日前申請——制度の施行を待たずに、あらかじめ申請を受け付ける仕組みです。出入国在留管理庁は、施行日前申請の受付開始日として次の2つを公表しています(出典: 出入国在留管理庁「育成就労制度に係る施行日前申請」)。
- 令和8年(2026年)4月15日から、監理支援機関の許可に係る施行日前申請を外国人技能実習機構で受け付ける予定
- 令和8年(2026年)9月1日から、育成就労計画の認定に係る施行日前申請を外国人技能実習機構で受け付ける予定
図のとおり、監理支援機関の許可申請はすでに受付が始まっている時期にあたり、次に控えるのが9月1日の育成就労計画の認定申請です。いずれも「予定」として示されているものですので、確定した期日として扱うのではなく、今後の公表を追う必要があります。
誰が、何を申請するのか——2つの申請は主体が違う
「9月から申請が始まる」と聞いたとき、自社が何をすればよいのかが分かりにくいのは、育成就労の申請が主体の異なる2種類に分かれているためです。監理支援機関とは、技能実習制度における監理団体にあたる立場で、受入企業を指導・監査する機関です。
| 監理支援機関の許可 | 育成就労計画の認定 | |
|---|---|---|
| 申請する主体 | 監理支援機関になろうとする団体 | 受入企業(監理型は監理支援機関の指導に基づき作成) |
| 対象の単位 | 機関ごとに1件 | 育成就労外国人ごとに1件 |
| 受付開始(予定) | 2026年4月15日 | 2026年9月1日 |
出典: 出入国在留管理庁「育成就労制度に係る施行日前申請」および「育成就労制度運用要領」を基に当社作成
育成就労計画とは、受け入れる外国人一人ひとりについて、3年間の育成就労期間の内容を定めた計画です。この計画は外国人ごとに作成し、機構の認定を受ける必要があります。監理型の育成就労では、受入企業が監理支援機関の指導に基づいて計画を作成し、機構の地方事務所・支所に提出することとされています(出典: 出入国在留管理庁・厚生労働省「育成就労制度運用要領」)。技能実習における技能実習計画の認定と、位置づけとしては近い手続きです。
ここで企業側の実務にとって押さえておきたいのは、監理型の育成就労では、指導を行う監理支援機関が許可を受けていることが前提になるという順序です。監理支援機関の許可申請の受付が4月から先行しているのも、この順序に沿ったものと考えられます。現在、監理団体に委託して技能実習生を受け入れている企業様は、その団体が監理支援機関の許可を取得する方針かどうかを、早めに確認しておく意味があります。
9月に受付が始まっても、実務の詳細はこれから固まる
日程が公表されている一方で、2026年7月時点では、申請の実務に必要な情報がすべて出そろっているわけではありません。
育成就労計画の認定申請を受け付ける外国人技能実習機構のページでは、申請手続に関する案内は「近日中に掲載予定」とされ、省令様式および記載例も「準備でき次第掲載します」という状態です(出典: 外国人技能実習機構「育成就労計画認定施行日前申請」)。制度の指針となる運用要領も、令和8年4月の改訂版が最新のものとして公表されており、今後さらに更新される可能性があります。
つまり、いまの段階でできるのは「申請書を作る」ことではなく、様式が公表された時点ですぐ動ける状態を整えておくことです。誰が担当するのか、委託先はどこか、対象になる人材は何人か——この3つが決まっていれば、様式の公表から申請までの時間は大きく短縮できます。逆に、ここが未定のまま9月を迎えると、様式を見てから社内調整を始めることになります。
なお、育成就労制度そのものの内容——技能実習との違い、転籍のルール、日本語能力の要件、既存の技能実習生の扱い——については、「育成就労はいつから?施行日と企業の準備を解説」で整理しています。育成就労の先にある特定技能の仕組みは、「特定技能制度とは?企業向けに仕組みを解説」をあわせてご覧ください。
今動くべき会社と、情報を追いながら待ってよい会社
9月の受付開始に向けて準備を急ぐべきかどうかは、企業の状況によって分かれます。
今から動いておきたいのは、次のような企業様です。
- 現在、監理団体を通じて技能実習生を受け入れており、2027年4月以降も継続して人材を確保したい企業様。委託先が監理支援機関の許可を取るかどうかで、選択肢が変わります。
- 2027年4月のできるだけ早い時期に育成就労外国人の受け入れを始めたい企業様。施行日前申請は、まさにその時期の受け入れを可能にするための仕組みです。
- 送出機関の選定や海外での募集をこれから始める企業様。人材の特定から計画の作成までには、相応の時間がかかります。
一方、次のような企業様は、情報を追いながら段階的に進めても間に合います。
- 当面は特定技能での採用を軸に考えている企業様。育成就労と特定技能は入口の異なる制度であり、9月の日程が直接影響するものではありません。
- 自社の分野の運用の細部がまだ固まっておらず、確定情報を待って設計したい企業様。
明日できる3つの確認
- 委託先の監理団体に、監理支援機関の許可申請の予定を確認する。 すでに申請したのか、これからか、そもそも取得しない方針か。ここが自社の選択肢を決めます。
- 2027年4月以降に必要な人数と時期を、社内で概算しておく。 育成就労計画は外国人ごとに作成するため、人数が定まらないと準備の規模が見えません。
- 公表元のページを、更新を追える状態にしておく。 出入国在留管理庁の施行日前申請のページと外国人技能実習機構の該当ページの2か所で、様式の公表を確認できます。
まとめ
育成就労制度の施行は2027年4月1日で確定していますが、そのための施行日前申請は先行して始まります。監理支援機関の許可は2026年4月15日から、育成就労計画の認定は2026年9月1日から、いずれも外国人技能実習機構で受け付ける予定です。ただし申請の手続案内や様式は2026年7月時点で準備中であり、いまできるのは「様式が出たらすぐ動ける状態」を作ることです。委託先の方針確認と、必要な人数の概算——この2つから着手すれば、9月以降の動きが楽になります。
AidBridgeの場合
私たちAidBridgeは、代表が現役の社会保険労務士である登録支援機関です。育成就労の受け入れ準備では、在留資格の手続きと同時に、雇用契約・賃金・社会保険といった労務の設計が求められます。制度の切り替え時期はこの労務側の整備が後回しになりがちですが、計画の内容と実際の労働条件が食い違えば、後から修正の負担が生じます。両方を一つの窓口でご相談いただけることが、準備期間のご負担を減らすと考えています。
また私たちは、提携行政書士の監修のもと、申請書類の作成を独自のシステムで効率化しています。企業様がご自身で申請する体制(内製化)を整えたい場合も、仕組みとテンプレートの面から支援しています。育成就労で必要になる書類が今後具体化した際にも、同じ考え方で企業様の作業を軽くしていきます。
9月の受付開始に向けて自社が何から着手すべきか、状況に即したご案内をいたします。まずはお気軽に無料相談するところから始めてください。